IoTで墓守やってみた!①課題とシステム構成検討

父の墓のお供えビールが無くなっている

いきなりお墓の話でアレなんですが、
自宅から車で15分ほどの場所に父のお墓がありまして、お彼岸やらお盆には
皆さんと同じようにお墓参りをするわけです。

室内のお墓なので、お供え物が雨に濡れたり、カラス等に食べられる心配もありません。
缶ビールなどのお供え物はすぐには腐らないので、そのままお墓に置いて、
3~4ヶ月後のお参りの際に回収するつもりでいました。

ところが、いざお供え物を置いて、3か月後くらいに再び来てみると、
缶ビールだけがきれいに無くなっているではありませんか。
1度や2度じゃありません。毎回ビールをお供えするたびに、次回来た時には無くなっています。

墓地の管理会社が勝手にお供え物を片付けることはないので、誰かに持ち去られているのかも?

だとしたら、一体誰がビールを持ち去っているのか?
たかがビール1缶なので、そこまで目くじらを立てるつもりもないのですが、
なんせ毎回無くなっているので、いつ持ち去っているのか、だんだん気になっています。

いつビールが持ち去られているのか知りたい

最近、IoT案件に関わってみたいという思いから、個人的に色々勉強を始めたり、デバイスをいじったりしているので、このビールが無くなる現象について、IoTで何かしら知ることはできないか、と思ったわけです。

まず、今回起きている事から課題を抽出します。

【課題】
お墓にお供えしたビールが毎回無くなっている。いつ持ち去られているか分からない。

いくら車で15分とはいえ、頻繫にお墓を監視に行くほど暇ではないですし、
かと言って管理会社の人にわざわざビール1缶の監視をお願いするのも気が引けます。
そうなると、遠隔でビールが無くなったことを検知できる仕組みが必要になります。

※たかがビール1缶のために大袈裟な、と思わずにお付き合いください。

別に犯人探しをしたいわけではないですが、もしビールが無くなる日時のデータが蓄積されれば、だいたいお供えしてからどれくらいの期間で無くなるかの傾向が掴めそうです。

そうすれば、前もってビールが無くなりそうな時期を把握して現場に足を運べば、
ビールが無くなる瞬間に立ち会えるかもしれません。

(別にその場で犯人を取り押さえたい訳じゃないですよ。危ないし。)

墓守システムの構成を検討

そこで、「墓守システム」と称した、お供え物の缶ビールを監視する仕組みを考えてみます。
要は、缶ビールが置いてある場所から無くなった時にメール等で知らせる仕組みです。
こうやって文字で書いてしまうと簡単なんですが、さてどうやって実現しようか。。。

まず、ビールを持ち去られたことを検知するための仕組みを考えてみます。

真っ先に思いつくのは距離センサー
センサーの目の前に缶ビールを置けば、距離は2~3cmとなるだろうから、そこから缶ビールが持ち去られた場合、距離センサーの数値が間違いなく増えるはず。
ちなみに、距離センサーなんて使ったことがないw

あとは、AIカメラによる画像認識。
でもちょっと敷居が高いかなあ(弱気)。

家にあるもので考えてみると、micro:bitの明るさセンサーでもいけるかもしれない。
例えば、ビールを置く台座を作って、その中央の凹みにmicro:bitを仕掛ける。
ビールが上に乗っていれば真っ暗な状態なので、明るさセンサーの数値はほぼゼロ。
ビールが持ち去られれば、一気に数値が上がるはず。

次に、懸念としてあるのが通信環境
墓地なので、wi-fiなどあろうはずもない。
ということは、自分自身でインターネットに接続する手段を持たなければ実現できない。
これって結構なハードルだなあと感じます。

通信と付随して考えられるのが電源の確保。
これも当然ながら、墓地なのでコンセントなどありません。
乾電池ではどうにもならないか。

今回用意したもののご紹介

墓守システムについて色々思い悩んでいると、以下のレシピを見つけました。

SORACOM レシピ:IoTでコーヒーカップの取り忘れを通知

IoTシステムの構築手順や必要機材をオンラインで公開。IoTの始め方や全体像を学びたい方や、IoTへ取り組みためのテーマを探している方に最適です。

こちらのレシピは、コーヒーマシンに置き忘れたコーヒーカップの取り忘れをメールで通知してくれるというもの。
距離センサーとコーヒーカップとの距離を計測し、一定間隔でクラウドに送信します。
クラウド側では、センサーとコーヒーカップとの距離が一定の範囲内になったら、アラートメールを送る仕組みです。

これなら、今回の墓守システムに流用できそうです。
センサーと缶ビールとの距離が一定の範囲外になった時にアラートメールを出せば、
ビールが持ち去られたことを知ることができます。

ということで、上記のレシピを参考に、今回用意したものは以下となります。

  • M5Stack
  • 3G拡張ボード
  • SORACOMのSIM(3G)
  • 距離センサー
  • モバイルバッテリー

M5Stackと3G拡張ボードはSORACOMさんの「M5Stack Basic 3G 拡張ボード セット」を購入しました。

IoTデバイス通販 - SORACOM (ソラコム) IoTストアなら、IoTシステム構築に必要な専用デバイスが1個からすぐに届く、デバイス選定からクラウド連携までを解説した実践レシピ集も無料公開しています。

まずこちらが、M5Stack Basicです。

次に、3G拡張ボード。
M5Stack Basicの間に挟み込むように接続して使います。
この中にSIMカードをセットして使用します。

拡張ボードを挟むと、元のM5Stack Basicよりちょっと厚みが増します。
画像が暗くて分かりにくいですが、若干青みがかった色の部分が拡張ボードとなります。

SIMカードについては以下のナノサイズのものを購入しました。

距離センサーについては以下のような形状をしています。
こちらはスイッチサイエンスさんから購入しました。白っぽい本体上部のくぼみの部分が距離を測定するセンサーとなっているので、この部分を塞がないようにしなければなりません。

VL53L0Xを搭載したTime-of-Flight方式による距離検出ユニットで、従来の方式よりも精度の高いセンサです。GROVE互換インターフェイスでM5Stack FIRE/M5GOなどと接続し、コア部分とI2Cで通信します。

ちなみに、モバイルバッテリーについては、上記レシピには載っていません。
レシピ上では、M5Stackの電源はパソコンから取っているので、今回電源の無い場所で
実現しようとした場合に、スマホ充電用のモバイルバッテリーしか無いかなと思った次第です。

必要なものはだいたいそろったので、次は実際にこれらの機器を色々といじってみたいと思います。
特にM5Stackと距離センサーは以前から触ってみたかったので、楽しみです。