ITエンジニアほど初期投資の少ない個人事業は無い

今回は、事業を始める時に必要な「初期投資」に関わるお話です。

このブログでは、フリーランスITエンジニアについて主に取り上げていますが、ITエンジニア以外にも、フリーランスには様々な業種があります。
会社に所属せずに、「個人事業の開業届」を税務署に提出し、個人で事業を立ち上げる人は皆フリーランス=個人事業主です。

しかし、確実に言えることは、「ITエンジニアほど初期投資が少なくて済む事業は無い」という事です。

ラーメン屋さんとITエンジニアの開業を比較

ここで、ITエンジニアとの比較例として「ラーメン屋」を取り上げてみましょう。
会社員を辞めて、飲食業を始めるというケースはよく見聞きするかと思います。

さて、会社を辞めてラーメン屋さんを始めるとなった場合に、どんなものが必要になるでしょうか?

私は飲食業の経験はありませんが、想像するに以下のような費用は確実に必要になるかと思われます。

  • 店舗契約費用
  • 店内の改装費用
  • 店で使う設備や什器の購入費
  • 材料費
  • 宣伝費

どれもラーメン屋さんを始めるには絶対必要なものばかりですね。
これに加えて、従業員を雇う場合にはお給料も必要となります。

一般的には、ラーメン屋を開業するのに必要な開店資金は1千万円以上かかると言われています。

こういう飲食業を始めるケースでよく聞きませんか?
一大決心をして会社員を辞め、ラーメン屋さんを始めるために貯金をはたいて開店準備をし、お金が足りない分は借金をして何とか開店にこぎつける。

しかし、思うように客足が伸びず、結局1年も経たないうちにラーメン屋は閉店。
残ったのは多額の借金。。。

よく聞く「個人事業主の失敗ケース」ってこんなイメージかと思います。

客先常駐のITエンジニアではどうか?

では、ITエンジニアとして個人事業主となる場合はどうか?
今回は、私のようなエージェント企業を通した客先常駐のケースで考えてみましょう。

まず、客先常駐という前提であれば、場所は取引先の職場となります。
自分で事務所を借りる必要もありません。ということで事務所費は不要となります。

次に、取引先との契約ですが、エージェント企業を利用する場合は、取引先への営業活動から契約締結まで全てエージェント企業がやってくれます。宣伝費という形では費用は発生しません。代わりに、エージェント企業に対しては毎月の売上の10数パーセントを手数料として支払うのが一般的です。

そして、業務で使用するパソコンですが、ほとんどの場合、取引先で用意してくれます。
自腹でパソコンを購入して常駐先に持ち込むケースもゼロではありませんが、ほとんど無いと考えて良いでしょう。

ラーメン屋さんと違うのは、毎日常駐先まで通勤するために必要な「交通費」です。客先常駐の場合、この費用だけはどうしてもかかってしまいます。

ここまでの話だけでも、圧倒的にITエンジニアのほうがラーメン屋さんよりも初期投資が少ないことがお分かりいただけるかと思います。

ITエンジニアのフリーランス開業リスクは非常に低い

私もお世話になっているエージェント企業の方に最初に言われたのは、

飲食業を始める人に比べれば、ITエンジニアは失敗する可能性がはるかに低いですよ。

という言葉でした。

世間一般の「個人事業主」に対するイメージとは随分かけ離れた印象を持ちましたね。

もちろん、フリーランスITエンジニアだって自己への投資は必要ですよ。
この世界、自分に投資できない人はあっという間に通用しなくなってしまうので、自己のスキルを日々研鑽する姿勢は重要です。

とは言え、費用として考えられるのは、パソコンやモニター、ソフトウェアや技術書の購入費、技術セミナーへの参加費用、IT系の資格試験の受験料、といったところでしょうか。
これらの費用を積み上げても、ラーメン屋の比ではないですよね。

ITエンジニアはまさに「お財布に優しい個人事業」です。

また、ラーメン屋なら、店が流行らないからと言って気軽に移転することも困難です。
でも、ITエンジニアなら常駐先の仕事内容や環境が合わなければ、別の案件を探すことはラーメン屋さんほど困難ではありません。
場所に縛られないのもフリーランスITエンジニアの強みです。

世間の個人事業主のイメージとは異なるITフリーランス

いかがでしたか?
個人事業主と言うと、どうしてもリスキーなイメージがつきまといますが、そもそも業種によってリスクの度合いが異なることは、上述のITフリーランスとラーメン屋さんとの比較でおわかりいただけたかと思います。

勿論、世の中にノーリスクな業種などありませんが、エンジニアとして業務経験をお持ちの方であれば、転職をお考えの際にはぜひフリーランスという選択肢もあるのだという事を知って頂ければ幸いです。